山本文緒「自転しながら公転する」感想

当サイトは広告により収益を得ています。

こんな人にオススメの記事です!
  • 「自転しながら公転する」を読んだ人
  • アラサーの人やアラサーになる人
  • 仕事や恋愛、家庭環境に悩んでいる人

アマゾンのKindle Unlimitedの期限が切れるので、レコメンドされていた作品でタイトルが気に入った作品を読んでみました。

今回読んだ作品は山本文緒さんの「自転しながら公転する」です。

この作品は、32歳の主人公が抱えている問題や悩みについて焦点を当てて描かれています。

前回「傲慢と善良」という作品を読んでいたため、同じような作品をレコメンドされたようです。w

そこで今回は、山本文緒さんの「自転しながら公転する」のレビューを書いていきます。

辻村深月「傲慢と善良」感想

レビュー

著:山本文緒
¥1,024(2024/01/03 14:10時点 | Amazon調べ)
この本の評価
総合評価
 (4)
読みやすさ
 (5)
内容
 (4)

概要

母の看病のため実家に戻ってきた32歳の都(みやこ)。アウトレットモールのアパレルで契約社員として働きながら、寿司職人の貫一と付き合いはじめるが、彼との結婚は見えない。職場は頼りない店長、上司のセクハラと問題だらけ。母の具合は一進一退。正社員になるべき? 運命の人は他にいる? ぐるぐると思い悩む都がたどりついた答えは――。揺れる心を優しく包み、あたたかな共感で満たす傑作長編。

引用:Amazon

感想

レコメンドされただけて前情報なしで読みましたが、結構良かったです!

アラサーの悩みなどをうまく描いていて恋愛や結婚の部分など自分にも当てはまる部分があったからです。

まあ、アラサーになると考えることは結婚などを見据えた恋愛観ということで共感を生みやすい部分はあると思います。

とはいえ、この作品は感情の部分においてリアリティがあったので、違和感なくストーリーを読み進めることができました。

しかも結構展開方法がよく、ミスリードを誘うような形で最後の最後まで楽しく読むことができます。

ただ、母親視点の部分が必要だったのかどうか私には理解できなかったです。

その点を除いてかなり楽しむことができました!

内容的な部分はこれくらいで、この作品で響いた点は下記の3つです。

  • 恋愛は傲慢になりがち
  • こだわりが強いほど狭量になる
  • 幸せを探すと不幸になる

詳細それぞれ書いていきます。

恋愛は傲慢になりがち

「傲慢と善良」を最初に読んでいたからこそ、やっぱり恋愛や結婚を見据えると皆傲慢になってしまうんだと思いました。

本書内でも「傲慢」というキーワードが出てきて、一人で勝手に盛り上がっていました。w

自分が大してすごい人間でも無いのに自分以上の相手を求めてしまうのは、現代社会では仕方ないのかもしれないですね。

今はマッチングアプリなどの台頭によって簡単に出会うこともできるようになり、自分が選ぶ側と錯覚してしまっている人も多いです。

自分も相手の条件を多少設定して合う人を選んでみたことなど、振り返ると傲慢の極みだと思います。

しかし、本作品はそんな傲慢さが当たり前の時代に、社会的弱者と結婚することを選択しました。

主人公の「明日死んでも百年生きても触れたいのは彼だけだった」というセリフが深いです

結局最後は、社会的な背景よりも自分の気持ちを貫けるかどうかが重要だと気付かされました。

これから私が結婚するかもしれない相手と出会った時に参考にしたいと思いました。

こだわりが強いほど狭量になる

作中の中で、これほど納得感のある言葉に久しぶりに出会いました。

当たり前といえば当たり前なのですが、本当にその通りですよね。

自分がこだわっているものほど、他者からのアドバイスを受け取らなかったり、怒ったりしますよね。

私も仕事とかで、こだわったデザインなどが否定されたら説得して意見を通そうとします。

しかし、特にこだわっていなかったら、言われた通りに修正して仕事を終わらせることを優先します。

本当に当たり前なのに、これほど適切な言葉はないと思って一人で感動しました。w

自分が狭量にならないためにも、仕事などでこだわりではなく、最適解を見つける努力をしたいと思います。

幸せを探すと不幸になる

作中で「幸せにならなきゃと思うと少しの不幸が許せなくなる」というセリフがあります。

作中の最後の方ででてきて、めちゃくちゃ納得しました。

幸せって何かを考えると幸せの基準ができてしまって、その基準に達していないと不幸になってしまいますよね。

例えば、年収1,000万が幸せの基準としてしまうと、その額稼げないと不幸になってしまいます。

しかし、年収1,000万の基準がなければ、年収600万でも十分な生活ができて幸せかもしれません。

このように、幸せを探すと自分の理想が高くなってしまって、不幸になってしまいます。

これって恋愛においても言えることで、これが傲慢を引き起こしている原因だと思いました。

そのため、私は幸せの基準は決めずに今この瞬間を幸せと生きるように考えていきたいと思います。

本作中では、主人公の人生を通していいことが書かれていたのでもし良かったらぜひ読んでみて下さい!

ロバート・ウォールテンガー「グッド・ライフ」感想

これからのこの本を読もうとしている人に

今から「自転しながら公転する」を読もうとしている人は電子版がオススメです。

「kindlepaperwhite」など専用の電子書籍リーダーを買うとストレスなく読むことができます。

私はいつも通勤時間に読書しているのですが、バックに入れて持ち運ぶとボロボロになってしまいます。。

しかし、「kindlepaperwhite」なら本もボロボロにならず、持ち歩きが楽です!

そのため、これからこの本を買おうか考えている人には電子版をオススメします。

橘玲「シンプルで合理的な人生設計」感想