【狂人と変人は紙一重】今村夏子さん「むらさきのスカートの女」感想

今村夏子さんの「むらさきのスカートの女」を読みました。

レビューを書いていきます。

レビュー

この本の評価
総合評価
(4.0)

芥川賞受賞作

あらすじ

近所に住む「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性が気になって仕方のない〈わたし〉は、彼女と「ともだち」になるために、自分と同じ職場で彼女が働きだすよう誘導する。『あひる』『星の子』が芥川賞候補となった話題の著者による待望の最新作。

引用:Amazon

感想

この本が伝えたいことは、「誰でも狂人になる可能性がある」ということをだと思います。

ストーリーも早く先を読みたくなるようなドキドキ感があって面白かったです。

誰でも狂人になる可能性がある

最初は、むらさきのスカートの女が「やばい人」という認識で話が進んでいきます。

しかし、話が進んでいくと黄色いカーディガンの女が「やばい人」になります。

黄色いカーディガンの女はもともと「やばい人」の雰囲気は出しているのですが、話の作り方がうまく、ナレーションのように感じて違和感があまりないです。

やばいことがやばいことではなく、当たり前のことのように感じてしまう感覚に陥ります。

気づいたら自分が「やばい人」になっている可能性があるのだと思いました。

現代社会にも狂人は沢山潜んでいる

これは「いじめ」など現代社会にも当てはまる部分があると思います。

例えば、「いじめ」が起きていても周囲がだれも異論を唱えないため、一緒に無視をしてしまうなどです。

私の小学校時代にクラスでいじめがあり、周りのクラスでも起きていました。

いじめが当たり前のように感じてしまい、無視することに全く罪悪感がありませんでした。

今思えば、本当に異様な光景だったと思います。また、いじめられていた人に申し訳ないことをしたと思っています。

自分が狂人になっているというのが自分自身ではわからなくなっていました。

この本の最後では黄色いカーディガンの女が「むらさきのスカートの女」として認知されて終了しました。

このことからも狂人に誰でもなりうるということを伝えたいのだと思います。

そうならないためにも、この本の中に狂人にならないためのヒントがあると思います。

それは、「他者とのつながり」だと考えています。

孤独は狂人をつくる

このストーリーはすべて黄色いカーディガンの女の視点のみで描かれています。

他者の思考が全く入ってきません。その結果、自分が方向性を間違っていても修正することができなかったのだと思います。

自分ひとりでずっと考えていても生み出せるアイデアや考え方には限界があります。

他者の意見がなければ、それが正しいか間違っているか分かりませんよね。

そうならないためにも、友人や家族などに相談して自分が間違っているのか客観的に考えることができます。

そのため、「他者とのつながり」は大切だと思います。

まとめ

この本で学んだことは主に以下の二つです。

  • 誰でも狂人になる可能性があり
  • 他者との繋がりは大切

ストーリーも短くてサクサク読めるような内容のため、読書を普段しない人にもオススメの本です。

ぜひ読んでみてください。

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